2012/03/04

蒼き狼

僕が読んだ文庫本の表紙がこれだったのか記憶にないが、浪人中の受験勉強の合間に井上靖を日本史の足しになるかなと思って読んでいた。「風濤」「楼蘭」「敦煌」と読んでどういうわけか大学に受かって一番最初に読んだ本が「天平の甍」だった。いつもあの時なんで「天平の甍」を読んだのかを考えることがあるが今もって理由が分からない。普通なら推理小説とかになるとおもうが何故か「天平の甍」だった。国語の教科書で断片的に出てくるものを全部読んでみたいと思っていたからかもしれない。それで「天平の甍」の次に読んだのがこの「蒼き狼」だった。今のように西域の写真なんかが少ない時代で、自分の空想がどんどん広がっていって楽しい時間であった。確かこのあと松本清張になって西域ものから離れていく。

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