2024/05/05

ゴジラ -1.0


 訳の分からん題名やなあと思ってAmazonプライムで見始める。しかも何にも知らんから白黒で。思い起こせば4歳の時(70年前)に「ゴジラの逆襲」というのを親に連れて行ってもらったのを覚えている。そこから「キングコング対ゴジラ」と続き、その後は何作見ているのかな、子供が小さい時に見に連れて行ったのもあるけれど、正直いい作品と思えないものもあったように思う。
まあ、プライム会員だから見てみようと思い気楽に見始める。
白黒だから、「ゴジラの逆襲」時代と錯覚してしまう。時は終戦間近の時代。特攻隊の一兵士が飛行機が故障したということで緊急時の避難所(大戸島)に着陸するところから物語は始まる。もう即、大戸島にゴジラが現れてそこにいた兵隊さんたちはほぼ全滅、主人公は助けることができたはずなのに(怖気づいて)出来ず、トラウマが重なっていく。
無事に日本に帰って来て、焼け野が原の東京から再生しようという矢先にゴジラが現れて、さらに日本人を奈落の底に・・・。何とかせねば・・・というお話。
偶然、「ソ連が満州に侵攻した夏」という半藤一利さんの本を再読していて、日本人は昭和20年の8月15日に戦争が終わったと思っているけれど、そこからが大変だったということを再認識したところに、偶然終戦当時の画像がゴジラで出て来るとは変な気持ちになった。
話がこんがらがってしまうけど、ミズーリ号で調印するまで戦争は終わっていなかったわけ、ずっとソ連は攻めてきていた。さらに「シベリア抑留」につながる「人選」を進めていた。
今回のゴジラは、多分、僕ぐらいの年齢でないと分からないだろうなと思えるような戦時中の日本の体質への批判が散りばめられていて面白かった。
最後に特攻隊崩れの主人公がゴジラに特攻して花が咲くという筋書きかなと思っていたら、「死なない」。今までの日本はいかに命を粗末にしていたか云々と言い、「死を美徳としない」路線を明確にしてくる。
(アメリカのインデペンデンスデイの方が昔の日本っぽい作品になっている)
「震電」が出て来たのには驚いた。子供の時のプラモデルに熱中していた時にはあったのかな?珍しい形なので本当にこれが空を飛ぶのだろうかと思っていた。


2024/04/24

MUSIC MAGAZINE 2024.5

ミュージックマガジンの2024年5月号が創刊55周年記念で最重要アルバム110というのをやっている。もう最近は購読していないので久しぶりの「マガジン」を見る。
1969年から年代を5年ごとに区切り、各年代ごとに10枚をリストアップする目論見です。
まず、1969年から74年の10枚。有名どころが10枚。ビートルズはアビーロード、ローリングストーンズはレットイットブリード、ツエッペリンは4枚目、ピンクフロイドは狂気という感じである。
ミュージックマガジンは元は「ニューミュージックマガジン」という名前で創刊されて、1980年の1月号から「ニュー」がとれた。理由は色々と詮索されたけれど、日本国内で「ニューミュージック」というジャンルが出来上がって、ニューミュージックに関する雑誌と思われるようになったのに嫌気がさしたというのが一番の理由だと思っている。ニューミュージックの雑誌だと思って手に取ったら全く違うジャンルの音楽雑誌だったということが起こっていたみたい。
元々、ニューミュージックマガジンの「ニューミュージック」の語源は、「シングアウト」という雑誌の1966年9月号に評論家のポール・ネルソンが「ビートルズの『ラバーソウル』は、ボブ・ディランの『ハイウェイ61』と共に、『ニューミュージック』の金字塔である」と書いたところから来ている。
ビートルズはティーンエージャー向けのヒット曲から、ボブ・ディランはフォークソングから「新しい音楽」を開拓したという意味での「ニューミュージック」だった。
ニューミュージックマガジンの創設者「中村とうよう」という人は、僕が思うに、音楽を社会運動と結びつけて考えているようなスタンスで、フォークソングの生ぬるい音楽では社会改革はできないと思っていた時に激しいロックのリズムが現れて、「これはいける」と思った節があって、その後の「とうようさん」の言動を考えると「ロック」を真剣に思っていたのは数年間ではなかったのかな?と思っている。
明確に書かれた文章には出会っていないけれど、1970年代の後半には次の音楽に目が向いているように感じられるから。
基本的にとうようさんは「資本主義VS共産主義」という対立構図から、「支配者VS一般大衆」「商業音楽VS大衆芸能」・・・とまあ、対立構造としてとらえるのが好き?だったみたいで、クラシックも嫌いだったみたいで、白人のカントリー&ウエスタンも大嫌いだった。1970年初頭の「ニューロック」がその役目を負えないと感じてからどんどん他の音楽を探し求めて世界中の民族音楽を探していたような気がする。
ニューがとれた後のミュージックマガジンは「ワールドミュージックマガジン」になってしまった。
僕は、ビートルズからニューミュージック(当時はニューロック)に来た人間で、フォークソングはほとんど興味はなかった人種です。とうようさんはフォークソング(多分ボブディラン)からニューミュージック(当時はニューロック)に来た人で、ビートルズが1964年にアメリカで旋風を巻き起こした頃は全く興味がなかったのではないかなと思っている。
そのような全く別の道を歩んでいた2つの音楽マニア?が1969年の「ニューミュージックマガジン」にて結集して、数年間熱っぽく「ニューミュージックマガジン」を愛読したことになる。人によって愛読した期間は違うと思うけれど、55年間読んでいる人はいないでしょうね。

 

2024/02/24

ブルー・アイズ(国家陰謀とテロ事件)


 全部で10話で1話がほぼ1時間あって、実質10時間のドラマ。
スウェーデンのドラマで以前見たキリングやブリッジ(デンマークだった?)のような感じかな?と思って見始める。
まず一見して感じることは、何か事件(出来事)がある都度、政党の争いが何時も絡んでくる気がする。画面が暗い(光が少ない)。街を遠望した時に人が少ない。
日本みたいに自民党(と公明党)で過半数を長期にわたって占めるということがなさそうで、連立政権が普通みたいで世間の出来事で支持政党の浮き沈みがあるみたい。
あとは、移民問題、差別、経済の維持と新しい経済活力の話題が何時も出て来る。
物語はまず大臣の補佐官が行方不明になるところからスタートして、後任の補佐官になった女性がその謎を解いていこうというところから始まる。
主となる団体は、①現与党、②連立を目指す野党、③古き良きスウェーデンを目指すテロリスト。
まず②の野党の地方議員だった女性が不審死を遂げ、その娘と息子が調べているうちに③の組織の仲間に組み込まれて、スウェーデンの証券取引所を爆破するテロ行為に参加するはめに・・・。
とまあ、個人的な話と大きな国家的な動機が重なって上手く作られているなと感じた作品。
大きな話は、原子力のウランがスウェーデンには埋蔵されているみたいで、そのウランが埋まっている地域の抱き込み政策に行方不明になった補佐官とか野党の地方議員が絡んでいたという話。ウラン推進派が反対派の与党の議員を追い払いたいので、首相に大規模なバックアップを申し出て・・・
まあ興味のある人は見ていただくとして。
感じたことは、資本家は労働者に移民を使いたい。ほとんど資本家の住んでいる地域には移民は住めないから移民と共存、共生という苦労は関係ない。苦労させられるのは、自分の周りに移民の人が住みだす下層社会の人々、そこから不満が沸き上がる。
移民はスウェーデン語を喋れ云々、スウェーデンの伝統を尊重せよ、自分らだけで徒党を組むな・・・等々
この問題は多分スウェーデンだけでなく、移民、難民を受け入れているヨーロッパの国の共通の問題かなと思われる。
遠い(近い)将来、日本でも起こりうる問題のように思いながら見ていた。
このドラマで国民性の違いを感じたのは、証券取引所のセキュリティの幹部がいったん閉じてしまったドアを人質の命が惜しかったらドアを開けろと命令されても開けない。人質が何人死んだだろう・・・。日本なら命優先で開けますね。開けてもお咎めなしのはず。
人質の命とテロリストを捕まえる効果と天秤にかける?
話は飛ぶけれど、イスラエルとハマスの戦いを思い浮かべてしまった。命の価値って??
あと、ドラマは、テロに加担することになってしまった兄弟が再出発する感じで終わったのですが、姉の方は人質を射殺しているし、弟の方も証券取引所に侵入しているし、完全な犯罪者のはずなんですが、その辺のところは全く感じさせず、再出発!!的な感じで、ちょっと不思議だった。
あっ、それと、直接ストーリーと全く関係がないのですが、エピソード9の終わりの方で、シモンがニルスに多分幼稚園?の校庭にいる先生のところに自分の写真が載っている新聞を持たせて行かせるシーンがなんとも言えず良かった。ニルスの役の男の子の寂しそうな表情がなんとも言えない。「パパに会えるようにしてくれるから」と言って行かすのですが、パパはもう殺されてしまってるのです。シモンは知らないのですね。


2024/01/16

ゴールデンスランバー




今頃「ゴールデンスランバー」の話題?
昨日、本の整理をしていたら、二重に置いてある奥の方から出て来た。そうかそうか一気に読んでしまったのを思い出した。本を確認したらもう15年くらい前の出版になっている。
普通、ビートルズの名前を借りたものには手を出さないことにしているので、即パスするはずですが、評判が良かったのと、ケネディ暗殺、オズワルド・・・と僕が興味ある単語が並べられているので買ってしまったのだと思う。
ペラペラとめくっていて、そうか映画になっていたのだと思い出して見てみる。僕はほとんど邦画を見ないので、多分有名な俳優さんなんだろうけどまず分からないはずだと思いつつ見始める。主役の堺雅人さんは、NHKの新選組を見ていたので知っていたが、他の俳優さんは名前は分からない(顔は見たことがあるはず)。日本の映画が嫌いなわけでもないけれど、マスコミのゴシップ記事が嫌いで、万国どこも同じでも海外のゴシップはよほどのことがない限り日本には届かないので、あちらの物ばかり見ている。
ケネディ暗殺事件でオズワルドがはめられたことが前提になっている。まだ正式にはそうなっていないのにと思いながら・・。
わずか2日間の出来事なんですね。まあ「24時間」よりまし。
仕事で2日だけ仙台に仕事で行ったことがある。気がつけば最後の決戦場になる野外音楽堂のある公園の近くの会社だった。もうちょっとしっかりと見て帰ってくればよかった。
話は飛ぶけれど、主役の青柳の先輩の運送屋さんが「ロックだよなあ」を連発する。
「ロック」の概念?村上春樹の「海辺のカフカ」にも同じような人が出て来る。内田裕也の「ロケンロール」とは違うと思う。
なんか概念としてあるのですよ。「ロック」的人間の基本的な概念が。
小道具と脇役、シチュエーションが上手く配置されている。土管、花火、キルオ、下水に詳しい入院患者、仙台でのロケ(東京ではあの感じが出ない)。
ちょっと原点に戻って、「オズワルドにされてしまうぞ」って言われて物語は進みだす。犯人にされかけた青柳が見事周囲の助けを借りて無事に逃げ切るという話でまずはめでたしめでたし。あんまり思想的なところは出てこない。首相が爆弾で殺されてもそっちの方は大した話でなかった。青柳でないと困るというところも感じなかった。オズワルドは共産主義者でないと困ったのですけど。
作者の伊坂幸太郎さんって1971年生まれで、ビートルズは既に解散しているのですね。その彼がビートルズが解散間近に録音した「アビーロード」の作成にまつわる話をこの本の中で語っていたり、僕にしたら不思議な気がする。ポールがバラバラになっている4人を何とかまとめ上げて完成させた云々。
役者の「柄本明」さんっていい役ですね。(この人くらい知っている)
それと竹内結子さん(ほとんど知らないのですけど)亡くなってました。いい役を演じてたのに。
本を読み返す(飛ばし読みですけど)、そしたら本当のケネディ暗殺事件で関係者がかなりの数の不審死を遂げている事実に倣って同じような文を書いてました(映画では省略されている)(第三部事件から20年後)
それと最後に整形後の青柳に扮した俳優さん不思議な魅力がありました。多分今は成功されているのでは?



 

2024/01/05

令和6年能登半島地震 山内泉さん

元旦から大変なことになって、ニュースを見るごとに死者の数が増えていく。どう考えても当分増え続けるのだろうなと気分が重い。

地震が起きた時に、即テレビをつけた。こういう時はNHK。
もう、臨戦態勢になっていた。津波警報が出てます・・・・非難してください・・・
ただ、いつもと違って「絶叫型」になっている。声の調子が違う。これってまともなアナウンサー?? 大丈夫かなと不安になる。
「テレビを見てないで逃げてください」と叫んでいる。

関西風に言えば、

「何をしとんねん。テレビなんか見とらんと、早よ逃げんかい」

と言ってることになる。

ただ、冷静沈着に

「まもなく津波がやってまいります。すぐお逃げになってくださいませ」

と言われても緊迫感が全くないよね。

途中から、これは効き目があると思い出した。
ただ、ゆっくりテレビを見ていられなかった。地理的に離れているとはいえ、こっちも揺れたから。怖かったですわ。
今になって、あの絶叫型アナウンサーは、あの「山内泉」さんだったと分かって、「えっ、うそでしょ」と驚いた次第。いつもクールな感じなんでちょっと想像できない。
叫んでいる姿も放送したらもっと効果があったかもな・・・と思ったり。
でも、あの絶叫によって救われた人もいると思う。
1人でも多く救われていることを願います。