2011/02/16

フィルモアの奇蹟

ずいぶん前に同じジャケットをアップした記憶が残っているが、書くことは違っているはず。前回の「スーパーセッション」という言葉は当時の流行語になって大物のプレーヤー同士が組んでアルバムを出すと「スーパーセッション」と言われた。スーパーセッションでアル・クーパーって何者と思っていたらこんなレコードが出てきた2枚組みで確か3600円、目立つジャケット、描いたのはノーマン・ロックウェルという有名な画家、僕にしたら画家の方が大物。その大物が全く無名の大写しの顔だけの絵を描いている・・こういうのは当時は珍しかった。ただ異様に説得力のある2人の顔である。(実は買ったのは数ヵ月後、当時はお金なかったもんねえ、2枚組みで3600円は冒険だった)
演奏されている曲名はポール・サイモンの「59番街の歌」、バンドの「ウェイト」、トラフィックの「ディア・ミスター・ファンタジー」ほかブッカー・Tの「グリーン・オニオン」それにブルースの曲(だと思う)、その時思ったことはもう覚えていないけれど、今から考えたら、それまで僕の聞いていた世界と全く別世界だったわけ、なにが別世界かって、演奏者が上手いという評価はそれまだ全く無関心だった。ビートルズの連中が楽器が上手いか下手かなんてあんまり関係なかった。クラプトンがギターがめっちゃ上手いらしいというくらいが話題であって、演奏者の力量には無頓着だった。それがこのレコードは僕の知った曲を彼らがイントロあたりにちょっと使ったと思うとその後は彼らの即興の世界だった。これにはびっくりしたし感動した。新しい時代が開けた。この後は上手いプレーヤーがいないとバンドの評価が得られなくなった。

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