2022/05/16

NEW MUSIC MAGAZINE


 僕が単純なビートルズファンからロックマニアになったのはこの本のお陰だと思っている。
NEW MUSIC MAGAZINEと言って1969年に創刊された。それまでの単なる音楽雑誌と違って「考え」があったように感じた。まあ大学に入ったこともあって「ちょっとレベルの高い音楽評論」を書いてみたい・・・そんなことを考えていたので僕の当時の考えにピッタリの雑誌が出て来た感じ。
それはともかく、この1971年4月号は創刊2周年記念で、当時出ていたレコードの中からお薦めを100枚選んでいる。
僕はまずこの100枚を集めることが最大のミッションになって、アルバイトしては集めていた。ただ当時はどんどんいいレコードが出るのでどうしてもそっちに気が行くのでお金が回らなかった。
それで先日、はたして僕はこの100枚を集めたのだろうかと自問自答して、調べてみたら、厳密にはそっくりそのままは70枚くらいであとはレコードでなくCDになっていて、実質98枚分はカバーしている。(実質というのは、購入当時、よりいいベスト盤が出ていてそちらにしたというものがある)
それで、結局買わなかった(厳密に言えば買わなかった。買えなかったのではない)のが「THE FUGS」というフランクザッパのマザーズに匹敵するバンドとバッファロースプリングフィールドの一枚だった。
バッファロースプリングフィールドを何故買わなかったのかは分からない。CSN&Yは嫌いでもないけど、ステファン・ステルスのソロもマナサスも持っているけどあんまり聞かない。そういうこともあって、今更バッファロースプリングフィールドを買っても聞かないだろうと買おうかと思う都度躊躇ったのかもしれない。
ということで不思議な一枚(下の画像)

この雑誌の魅力は、創刊者の「中村とうよう」さんが、この時ぞとばかり出版した雑誌で、最近当時の雑誌を暇に任せて読んでいるとロックによる社会変革に繋げたかったのかなと思う気もする。
ビートルズが出るまでのアメリカのフォークソングではダメだ(唄っているだけではダメだ)これからはロックだという気持ちだったのかな。
ただ、とうようさんの推薦する音は、打楽器中心の音が多く、アフリカの民族音楽やカリブの打楽器が多く、正直、ちょっと疲れるものが多く。
穿った考えかもしれないけど、自分の好きな音を紹介するためのツールかなと思うことが後半多かった。
しかしながら、ロックを通じて世の中を考えるという雑誌はこれしかなったので影響力は大きく、他の高名な書籍(ドストエフスキー、小林秀雄・・・)は読んだけれどこの雑誌を超えなかった。


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