芥川賞受賞作にしては今は知る人はいないし、作者も4部作以降ほとんど書いていないから多分若い人は「庄司薫って誰」ということになるだろう。僕にとっては本の主人公が僕と同じ年(厳密には同じ学年、1950.04から1951.03生まれ)で要は1969年3月に高校を卒業した者だということで、さらにその年の出来事(最大の出来事は東大の入試がなかったこと)や当時のスターなどが実名で出てくるから実に懐かしく読んだ(昔何回も呼んでいたはずやけどすっかり忘れている)。酒井和歌子や内藤洋子とかいしだあゆみのブルーライト・ヨコハマや日比谷高校が灘高に東大合格者数で1名の差で抜かれた話とか学校群制度で日比谷高校の伝統も消えるとか、週刊誌の平凡パンチとか・・盛りだくさんである。ただこんな本がなんで芥川賞?と思われると危惧するが、肝心の内容は「男の子はいかに生きるべきか」ということについて実に上手くその世代に合うように書かれてあって内容はなかなかのもである。僕は多分その後どう生きるべきか というコア部分はかなりこの本の影響を受けていると思う。そういう意味では別に世代をまたいで引き継がれなくてもいいと思っている。
僕らの時代だけの一種のバイブルであっても構わない。
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