2024/02/24

ブルー・アイズ(国家陰謀とテロ事件)


 全部で10話で1話がほぼ1時間あって、実質10時間のドラマ。
スウェーデンのドラマで以前見たキリングやブリッジ(デンマークだった?)のような感じかな?と思って見始める。
まず一見して感じることは、何か事件(出来事)がある都度、政党の争いが何時も絡んでくる気がする。画面が暗い(光が少ない)。街を遠望した時に人が少ない。
日本みたいに自民党(と公明党)で過半数を長期にわたって占めるということがなさそうで、連立政権が普通みたいで世間の出来事で支持政党の浮き沈みがあるみたい。
あとは、移民問題、差別、経済の維持と新しい経済活力の話題が何時も出て来る。
物語はまず大臣の補佐官が行方不明になるところからスタートして、後任の補佐官になった女性がその謎を解いていこうというところから始まる。
主となる団体は、①現与党、②連立を目指す野党、③古き良きスウェーデンを目指すテロリスト。
まず②の野党の地方議員だった女性が不審死を遂げ、その娘と息子が調べているうちに③の組織の仲間に組み込まれて、スウェーデンの証券取引所を爆破するテロ行為に参加するはめに・・・。
とまあ、個人的な話と大きな国家的な動機が重なって上手く作られているなと感じた作品。
大きな話は、原子力のウランがスウェーデンには埋蔵されているみたいで、そのウランが埋まっている地域の抱き込み政策に行方不明になった補佐官とか野党の地方議員が絡んでいたという話。ウラン推進派が反対派の与党の議員を追い払いたいので、首相に大規模なバックアップを申し出て・・・
まあ興味のある人は見ていただくとして。
感じたことは、資本家は労働者に移民を使いたい。ほとんど資本家の住んでいる地域には移民は住めないから移民と共存、共生という苦労は関係ない。苦労させられるのは、自分の周りに移民の人が住みだす下層社会の人々、そこから不満が沸き上がる。
移民はスウェーデン語を喋れ云々、スウェーデンの伝統を尊重せよ、自分らだけで徒党を組むな・・・等々
この問題は多分スウェーデンだけでなく、移民、難民を受け入れているヨーロッパの国の共通の問題かなと思われる。
遠い(近い)将来、日本でも起こりうる問題のように思いながら見ていた。
このドラマで国民性の違いを感じたのは、証券取引所のセキュリティの幹部がいったん閉じてしまったドアを人質の命が惜しかったらドアを開けろと命令されても開けない。人質が何人死んだだろう・・・。日本なら命優先で開けますね。開けてもお咎めなしのはず。
人質の命とテロリストを捕まえる効果と天秤にかける?
話は飛ぶけれど、イスラエルとハマスの戦いを思い浮かべてしまった。命の価値って??
あと、ドラマは、テロに加担することになってしまった兄弟が再出発する感じで終わったのですが、姉の方は人質を射殺しているし、弟の方も証券取引所に侵入しているし、完全な犯罪者のはずなんですが、その辺のところは全く感じさせず、再出発!!的な感じで、ちょっと不思議だった。
あっ、それと、直接ストーリーと全く関係がないのですが、エピソード9の終わりの方で、シモンがニルスに多分幼稚園?の校庭にいる先生のところに自分の写真が載っている新聞を持たせて行かせるシーンがなんとも言えず良かった。ニルスの役の男の子の寂しそうな表情がなんとも言えない。「パパに会えるようにしてくれるから」と言って行かすのですが、パパはもう殺されてしまってるのです。シモンは知らないのですね。