2024/08/10

NEW MUSIC MAGAZINE 1969.10

 

1969年のニュー・ミュージック・マガジンを先日から読み返している。
なんで今頃と思われるでしょうが、僕にとって一番大事だった時代の雑誌を当時は完全に隅から隅まで読んでいなかったからです。それで55年間置いてました。
まあ、時間もあるようになったのでゆっくり読みながら、当時の音も聞こうかなと思っている。
ニュー・ミュージック・マガジンという雑誌は「中村とうよう」という音楽評論家が創刊した雑誌で当時としては実にユニークな雑誌だった。
ロックを通じて世の中を見る云々ということで、当時浪人性だった僕にはちょっと面倒くさい雑誌だった。ただ主張はともかく、この雑誌の目玉は、毎月出されるロックレコードを100点満点で採点していたところに尽きる。
当時、世の中が「ニューロック」ブーム(本当に起こっていたのかどうかは分からないけど)で、毎月新しく出されるレコードの枚数が増えて、お金のない貧乏学生(浪人)にとって何を買うべきかの指針となる雑誌は有難かった。
当時はそのページの為に雑誌を買っていたと言っても過言ではない。

1969年の4月号の創刊で、10月号で早くも「曲がり角?」的な文章が出始めている。
というのは、それまで出るレコードが、「さすがに大したものだ」というレコードが目白押しだったのが、その頃疑問符がつく2枚が発売されたから。「こんなはずではない」「もっといいものが出てくるはず」と思われた2枚がある。
その2枚とは、「BLIND FAITH」と「CS&N」の2枚。
「BLIND FAITH」はクリームのエリック・クラプトンとスペンサーデイビスグループのスティーブ・ウィンウッドの結成したスーパーバンドで、「CS&N」はバーズのデビッド・クロスビー、バッファロースプリングフィールドのステファン・スティルス、さらにイギリスのホリーズのグレアム・ナッシュの3人が結成したグループ。まあいずれもスーパーグループで、そこから出てくる音楽はさぞ素晴らしいものであるに違いないと誰もが思っていた。
まあ、鳴り物入りで出ました。売れたのです。チャートも上がりました。
でも、こんなはずじゃなかったと思った人が多かった。
評論家のなかにもそう思った人がいて。「曲がり角に来たニューロック」とか言い出した。

もともと、誰がつけたのかわからない「ニューロック」というブームに陰りも何もないもんだと思うけれど、少なくとも、毎月毎月びっくりするようなレコードが出てくるようなことはない(当たり前の話ですけど)ことを我々は悟ったのですわ。

それと「あなたの街にロックはあるか」「あなたの学校にロックはあるか」というような投げかけをし出して、結構面白かった。
サラ金さんの「愛はあるんか??」のCMを思い出してしまった。
「ロックがあるか??」いまから思えば、分かったような分からんような話ですが、「あなたの周りにロックを!!!」って当時のとうようさんは思っていたのかも。





0 件のコメント:

コメントを投稿