2017/09/24

東京オリンピック10000m走

先日から、橋爪さんという方からコメントをいただき(多分その道では有名な方なんでしょうが僕には知識がないので・・・)、東京オリンピックの思い出をリアルタイムで綴ることは有意義である旨のコメントいただき、年に1度あるかないかのことなので元気づけられて書きます。
ただ見るのが好きだったということなんで専門的なことはわかりません。
東京オリンピックの1万メートルは多分陸上競技の前半にあって、テレビでずっと見ていた。メルボルン大会の聖火ランナーだったオーストラリアのロン・クラークが世界記録を持っていて、話題性十分だった。
今から思うと、このロン・クラークという人は、今でいう、最後のラストスパートで一気に勝つというような走法スタイルでなく、初めからずっと先頭を行くという実に潔のよい日本人受けする走り方で、初めの数周でファンになってしまった。かれこれ30分、抜きつ抜かれつ、日本の円谷選手もトップ集団にいて、さらにエチオピアのアベベの盟友マモ・ウォルデもいて、非常に見甲斐のあるレースだった。市川崑監督の映画でもかなりの時間が割かれているので興味のある方は見てください。
で、結局は最後の1周となったところで、ロン・クラークとチュニジアのガムーディとアメリカのミルズの3人が残り、まずはガムーディが前を行く2人の間を両腕でかき分け(こんなんが許される??)てトップに、それをロンクラークが追いかけ、ミルズはやや後退・・・。
と思いきや、信じられないようなスパートでミルズ優勝。
upした写真の左がミルズ、そしてロンクラーク、615のゼッケンがガムーディ。右の2人は周回遅れ。
とまあこういう展開で、長距離はアメリカはまだまだだと当時の僕は思っていたのに、ここでも金メダル!!と(その時、既に始まっていた水泳でアメリカの金ばかり見ていたから)。
時間が経ち、このミルズ選手という人は、アメリカの先住民族(つまりインディアン)の子孫で、差別を受けながらここまで来た人だということを知ったのはもう随分時間が経ってからのことだった。当時の報道ではそういう話題は出てこなかったように思う。
もうアメリカという国は自由で素晴らしい国のように思っていたから。
いろんなことを教えられる東京オリンピックだった。
2020年の大会も今の若い人(多感なのは中学生くらいかな)に一生のこる何らかの感動を与えられることを願っている。

2 件のコメント:

  1. お恥ずかしい、当の橋爪です;o)

    このビリー・ミルズ選手の話は、確か1980年代に「Running Brave」と題して映画にもなりました。Robbie Benson主役です。結構似てます(笑)。走る姿も様になってます。このストーリーは、マモもさることながら、語られてしかるべきものです。実はこのレースで、ミルズは自己記録を50秒近く更新しています。「俺にはできるはずだ…」と自分を信じて、この時走った(28分20秒くらいでしたか?)タイムにかなり酷似した目標タイムを紙に書いて、ベッド際の壁に貼って、毎日見つめていたと言います。確かこのレースで、前半の5000mを、自己記録よりわずか5秒ほど遅れる程度で、「おいおい、こんなペースで大丈夫かいな?」と関西弁で(嘘)自らを疑ったと言います。そして、マラソンの君原選手ではありませんが、後1周、後1周だけ、と自分に言い聞かせながら走っていたそうです。2度ほどスピーチを聞いたことがありますが、優勝した後、アメリカの家に国際電話を入れて、お母さんに「母さん、勝ったよ!」と言ったところ「冗談を言ってる場合じゃないでしょ!」と言われたそうです(笑)。実の母親でさえ勝つとは夢にも思っていなかったと。

    書かれている市川崑氏の映画ですが、英語ダビングされて国際オリンピックのYouTubeに載っています(https://www.youtube.com/watch?v=5F5iCsymMj0&t=4s)個人的にはオリジナルのBGMの方が好きですが…。おっしゃられている「ガムーディがかき分けて」抜いていく直前に、実はロン・クラークにもプッシュされてます(2分35秒あたり)。本人は、これで大レーンに押し出されて、当時のアンツーカーのトラックで、30人ものランナーたちが20周以上当時の長いピンのスパイクシューズでズタズタにしてしまった表面に比べて、足元がシッカリして、むしろスパートに入り易くなった、と言っていました。マモ・ウォルデ選手の勇姿は1分30秒あたりで見られます。

    2分18秒あたりで、緑のユニフォームを着た選手が棄権する姿が見られますが、この人実はマラソンで最後までアベベについて走っていて、マラソンでも35キロあたりで棄権してしまった選手です。棄権が多い選手(なんとかホーガン)なんですが、それでも翌年あたりのヨーロッパ選手権のマラソンでは優勝したはずです。

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  2. アイルランドのジム・ホーガン選手ですね。ネット社会になって、手当たり次第に記憶にある選手を検索してみたので。映画で1万とマラソンに棄権するところが映っていて珍しいお方です。この人確か次のメキシコにも出てました。でもアベベと共に印象に残ってます。

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